葉山町長としてのこれまで
暮らしのさまざまな分野の「公共」を仕事とする町役場。
福祉、環境、教育、都市計画や社会保障、その他、多岐に渡る分野を所管しています。
しかし、行政も資金やマンパワーが充実しているわけではありません。
「選択と集中」の必要な時代。
見据えた将来、不都合な事実にもしっかり向き合い、
多くの人々の力をお借りしながら、そして解決しながらまっすぐ前進して、責任を果たす。
いまの時代に必要な政治の覚悟を貫きます。
組織の長として
・一番下で、大きく動き、知っていること
・笑顔を、愛を大切にすること
・そして、あきらめないこと
政治家として
・寄付・献金は一切受け取らない
・いまの幸せと将来の子どもたちの幸せのため
・倫理、情熱で進化する政治を目指す
町政報告
2019年からの主な仕事と2023年12月
コロナ禍3年間。「町民の皆様の命を守る」に全力でした。いま2025年1月の町制施行100周年に向けて、別荘の町、癒しの町、葉山が一つになれる町として、その素晴らしさを内外に。そして、子どもたちが帰って来たくなる未来つくりを。全力集中です。
未知の感染症災害に向き合え!コロナ禍対策
大規模事業をすべてストップ。全庁コロナシフト
ウィルス感染症災害下、ワクチン接種事業の職員応援体制、感染拡大に備えた事業継続体制にシフトし、リモートワークなどで業務を止めない体制を構築しました。
結果、役場職員の感染もありましたが、幸いにもワクチン接種業務をはじめ、ほとんどの業務を停止することなく役場機能を保持できました。一方、役場には医師がいないため、未知の感染症対策には、神奈川県、逗葉医師会など、多くの医療関係者に知見をいただき、感染抑止、消毒の手順、迅速で安全なワクチン接種などの全体業務を進めてきました。心から感謝申し上げます。
立ち上げ、毎日ワクチン接種会場へ。総出でニーズに迅速に応える
緊急事態宣言、まん延防止措置など、誰も経験したことない社会不安の中、ご自宅にいるしかできないご高齢の方々の支援が最も難しかったです。感染防止の配慮をしながらお元気でいられるよう、75歳以上の皆様全員に「役場を頼って」とお手紙を送り、福祉事業に細心の注意を払いました。特に2021年7月からのワクチン接種事業には連日、私自身も接種会場に入り、職員、医療関係者総出で接種業務。そして業務後には翌日への改善ミーティング、実践、また改善と、まさに手探りそして、ワクチンのみならず様々な対策、対応の試行錯誤を繰り返しながら、町民の皆様の期待に応えられるよう尽くしました。
子どもたちの学び、文化、スポーツ、遊びを止めない ギガスクールと施設開放の継続
予算規模約1億8400万円の投入。コロナ禍では小学生から中学生まで全ての生徒にタブレット端末を各一台用意しました。オンライン学習、学ぶ機会を止めてはいけないという判断です。
また、感染拡大の中、ご批判もありましたが校庭の放課後開放、図書館の貸し出し機能も継続し、学び、文化、スポーツそして、遊ぶ。子どものエネルギー発散と貴重な成長の機会を奪わないよう、細心の注意を払いながらコロナ禍でもできる限りの機会創出の取り組みを進めました。子どもはいつも未来への希望ですから。
先の見えない負担軽減。3度の「つつじカード」
未知のウィルスは未知の暮らしの変化と経済不安にも直面しました。コロナ禍の経済対策と物価高騰対策として2023年までに3回目のキャッシュレスカード計16000円分を町単独で全町民の皆様に配布しました。ウクライナ紛争、パレスチナ・イスラエル戦争など、世界情勢の不安定と経済・為替変動の激化は今後も私たちの暮らしに様々な影響を及ぼすでしょう。さまざまな身の回りの物品さえ物価高がはじまり、いまもって暮らしの負担は増す一方です。
わずかな気持ち程度かもしれませんが、私たち役場はいつもそばにいると覚悟を示しました。
中学校給食の開始と一時無償化・無添加調味料・ストローの生分解化
「You are what you eat.」食が人の源。成長の身体には、特にやさしい食を提供したい。全小中学校の給食の調味料である塩や砂糖などにはオーガニックな自然由来のものを使うように。また、牛乳ストローも合わせて生分解性のものを導入し、自然にやさしく人にやさしい食を実現しました。また、長年、多くの保護者の皆様の願いでした中学校給食は2023年春からようやく始められました。コロナ禍にあっては2年連続で一時給食の無償化を実施し、保護者の負担軽減を図っています。
災害対策に徹底
2019年の台風15号・19号の停電や風水害被災は私たちに大きな教訓を与えました。すでにその対策として避難所への太陽光パネル設置やスマートフォンの充電電源タップなど、電気確保策は細かく綿密に用意してあります。またあのとき課題となった災害ごみの処理方法も災害ごみ処理計画を策定し課題克服を改善に活かしました。徹底した災害への備えで、安全のみならず、いざというときの安心を提供できるまで目指します。そして継続する訓練と準備に余念はありません。
はやまエシカルアクションをスタート
2019年から葉山クリーンプログラムとして公共施設におけるペットボトルの販売中止や町内イベントに環境管理者の必須をお願いしてきましたが、2022年はその次のステップとして、事業者の皆様に協力していただく「エシカルアクション」をスタートしました。これまでの取組や、ごみの分別協力など、葉山の環境貢献活動とその高い意識はジャパンタイムズ社のサスティナブルジャパンアワードにも優秀賞にランクされ、全世界に配信されています。
人に会えない、ならばできることをしよう。老朽化施設の徹底調査と改善のとりまとめが完了しました
コロナ禍の成果は行政内部で様々な議論が行えたこと。調査も行い、最大の課題、公共施設再整備に向き合う調査や方針を明確にしました。これからは町民の皆様、小規模施設においては当該地域の皆様と直接議論し、具体的な実施策を令和7年春までに明確にしていきます。
財務改善と行政効率化による経常収支比率の改善に成功。公共施設の再整備、大規模事業推進を国や県のつながりで確実に推進
町長職に就任してから12年、借金は約20億円削減し、貯金は約20億円積み増しました。財政改善は最優先課題でしたが、役場組織の財務体質と資金に対するコスト意識が大きく転換できた成果だと考えます。
これからは公共施設整備を中心に大規模支出が迫っています。一定規模の借り入れを起こし、また利用料の値上げは避けて通れません。受益者負担をいただきながら、将来への負担の公平化を図りつつ、蓄えた現金も効果的に使って、円滑な施設の更新、向こう100年の葉山創りへ役立てます。
各種活動
学会、大学講義、政府間政策発表や各種講義などにも登壇しています
◎ 2023年11月15日 全国若手町村長会(U49)を立ち上げ初代会長に就任
※参考メディア 日経新聞11月15日から(有料) ・ 神奈川新聞11月16日から(有料)
◎ 2023年現在(~2017年) 関東学院大学法学部非常勤講師 (地域創生特論葉山)
◎ 2023年10月 IGES(地球環境戦略研究機関)主催
「Japan-Korea-China Carbon Neutral Cities Forum日中韓脱炭素フォーラム」にて
葉山町ブルーカーボンへの取組発表
◎ 2019年12月 OCEANS
「『プラごみゼロ宣言』した町・葉山。渋谷出身の町長が考えていること・前編」
◎ 2015年6月サンケイBiz【本気の仕事講座】
(2022年12月26日sankeibizサービス配信終了)
◎ 2014年地域デザイン学会での発表予稿
https://t-yamanashi.com/wp/wp-content/uploads/yokou.pdf
町政報告 2019年12月発行
2015年11月 町政報告
「葉山のおかしいを直したい」・・・ 4年間を振り返って
「全国12位の課税所得額がありながら、行政サービスが還元できていない」
そういって葉山町長の職をあずかって4年。さまざまな「おかしいを直す」に向き合ってきました。
財政健全化、行政改革、サービスの向上・・・。
結果、掲げたマニフェストは6割から7割(自己採点)達成しましたが、私ではなく、本当に多くの方々に助けていただいた結果です。町民の皆様や職員の皆様をはじめ、多くの方々のご協力に深く感謝申し上げます。
しかし、一方で説明不足で誤解を招いてしまったこともあります。また、私の力不足からできなかったマニフェスト項目も多々あります。例えば、旧役場跡地や木の下防災広場など、町有地・公共施設全体の利活用では、議論が広がってもいまだ方向性が出ていません。これからは、こういった将来にわたる大きな課題に皆様の力をお借りして、葉山町民全体で考える方法を模索していきたいと考えています。
借金を減らしてコストも削減しました
プライマリーバランスの維持で厳しい財政運営
葉山町財政の最大の課題は、借金の残額が多いことです。年間12億円以上が借金の返済にあてられています。将来への負担はなるべく少なくしなければいけません。3年間で借金9億円以上を減らしました。ポイントは、元利返済の元金内でしか新規借入を起こさないというルールで4年間厳しく財政運営してきたことです。
人件費削減の取り組み
した。葉山町政史上、初めて人件費削減を労使で合意したとも言われます。私も4年間、給料の20%をカットしてきました。その後も職員努力が実り、3年間で総額5億2755万円の削減になりました。人件費比率は30.4%から27.6%へ下がっています。ポイントは課題意識を労働組合とも共有し、解決に向けて話し合えたこと。労働組合との丁寧な話合いはいまも続けています。
行政の無駄削減の一例
たとえば、ご家庭の浄化槽などから排出するし尿汚泥は、それまで他市で処分していましたが、それを町内の汚水処理センターに直接投入する仕組みに変更しました。これにより年間1億7813万円の削減。成功のポイントは、変更するぞ、という強い意志。そして国、県との交渉力でした。
ごみの減量(町民の皆様の協力に感謝)
言うまでもないかもしれません。神奈川県内では唯一の無料戸別収集、そして資源ステーション方式の導入。無料では失敗するとの批判もありましたが、1年経過して、可燃ごみ量20%の減少で1674トン、約4000万円の削減となりました。町民の皆様、職員の皆様へ深く感謝です。
減らしたことで増えたモノ、コトは?
小中学校全校へエアコンを設置
約40年間更新されていなかった電気設備も更新したことで、2億5000万円以上かかりましたが、小学校と中学校を2カ年に分けて整備。これで酷暑の夏もしっかり勉強できる環境が整いました。
小児医療費の無料化は小学校6年生まで親の所得に関係なし
「子どもの病気に親の所得は関係ない」そうして小学校6年生まで、親の所得制限なしで医療費を無料化しました。三浦半島では最も手厚い子育て支援策です。
待機児童の解消
政令市等を除く神奈川県下27自治体の平均4.5人の児童に1園が設置されているのに対して、葉山町では児童10.6人に1園と最も少なかった保育園の設置数。重要課題に位置づけ、認可保育園を1園誘致して新設。1園は認可化していただき、計4園の認可保育園となり、待機児童解消へ大きな前進をしました。質の高い保育サービスを。
読みやすくなった広報はやま
町民の皆様と役場を繋ぐ大切な情報配信である広報はやま。読みやすくわかりやすく日本一を目標に改善してきました。平成26年は町村の部で県内最優秀に選ばれました。全戸配布にも切り替えました。未配の際は、役場までご一報ください。
学童の新モデル開始
「学童保育は学校敷地内で」共働き世代の支援には、安心して預けられる放課後も大切な課題です。ようやく今年の10月から一色小学校新館でモデル事業を開始できました。サービスの質の高い学童保育を。
学校備品の整備
子どもたちの快適な学校生活のため!ボールなどの運動用具、鉄棒などの校庭の設備、机や椅子。さまざまな学校内の備品の更新も図っています。
公園遊具とベンチの整備
公園は地域の憩いの場です。遊具の事故が報道されてから、撤去一辺倒だった公園遊具。遊具の新規設置、及び公園内ベンチの設置も積極策に転換しました。
各種検診・予防事業
例えば脳ドック、人間ドック、ピロリ菌検診、認知症予防教室、葉山体操の開発や日本初のショートステイでの看取り加算の開始など。健康でいてもらうための検診、予防は先んじて用意してきました。そして、最期は住み慣れたご自宅や地域で過ごせる環境を目指して。平成27年度の葉山町行政の主要テーマです。
基金総額(貯金)の積み増し 貯金も増えました
3年間で5億円以上の増。11億700万円から16億5500万円に。9年ぶりに16億円台を回復。年々増加する社会保障費や公共施設整備費として、今後に備えます。
皆さんのおかげです! 協働というパートナーシップ
・町制90周年記念誌。葉山の人財(材)力と読みやすさが融合した、たぶん日本唯一の町史
・ふるさと絵屏風 すご〜い!木古庭、上山口町内会と大和ハウス 民と民の協働の象徴
・漁協や商工会青年部、青少年指導員などの協力で子ども達の潮干狩り復活!
・2014年から皆様のご協力のもとゴミの戸別収集が始まりました
・今秋、三浦半島サミットも5回目近隣自治体パートナーシップを構築
・花火師さんには無理を聞いてもらいました金星と富士山が見える感動的な2015年 葉山海岸花火大会
通勤・通学! 大事ですから 京急バスさんとの協力
・次のバスがどこにいるかがスマホで分かるバスの位置情報提供サービス開始!
今年は衣笠駅〜逗子駅の15番バスのみですが、今後は全線導入をやります!
・葉山→YCAT 直行高速バスが開通
御用邸→葉山小学校→川久保 → 横浜駅YCAT
・深夜便の増発も実現!
逗子駅発→衣笠駅行き最終便を22時45分まで延長のダイヤ改正
・葉山マリーナ前のバス停に屋根の設置
・ノンステップバスの導入も促進
・バスが近づくと信号が青になる公共車両優先システム(PTPS)も全線に導入